『レイジングループ完全読本』 感想



※ゲーム本編及び、完全読本のネタバレあります。

感想

PS4版パッケージ発売の次は完全読本とノリに乗ってますねレイジングループ。情報が公開されて速攻で予約しました。読む前にイメージしていたのはゲームグラフィックを中心にまとめたいわゆる、画集的なものですが『レイジングループ完全読本』は一味違ったB5版サイズ、162ページに渡り文字が端から端までみっっっちりと詰まっている。文庫サイズにしたら京極堂シリーズ並みに分厚くなるのでは?読み終えるのに丸一日かかりましたよ。

キャラクター設定、ストーリー解説、設定資料、スタッフインタビューなどが掲載されておりここらへんはごくごく普通の設定資料集でライター座談会あたりから空気が変質。この座談会では『レイジングループ』をこよなく愛するゲーム業界のライター7名が集ったのだが…濃厚なオタク会議に読んでてむせ返りそうになった。それだけに『レイジングループ』に対する見方は鋭い。各々の好きなキャラクターを紹介するだけでなく、ライターのamphibian氏のシナリオ構築やレイジングループが口コミヒットした要因などを次々と考察が飛び交い唸らせて頂きました。

7人のイカれるオタクの座談会の次にやってきたは絶対SIMPLE主義のラー油氏による『鈍色のバタフライ』『トガビトのセンリツ』『D.M.L.C(デスマッチラブコメ)』『黒のコマンドメント』の歴代ケムコADVレビュー。今までのケムコADVがあったからこそ『レイジングループ』は誕生したと私は思っているので紹介してくれて非常に嬉しいです。レビューはネタバレを行わずストーリーとキャラクターを紹介して進行。随所に『レイジングループ』ネタを挟みクスっと笑わせに来る。さすがのラー油氏も公の場のためブログよりは掘り下げは控えめなのだが、どーしてもツッコミたい箇所には容赦ナシ。『黒のコマンドメント』の香椎翔太に対するコメントがこのレビューで一番のツボだった。ラー油氏のレビューをきっかけに『レイジングループ』から入った方々が他ケムコADVに興味を持ってくれますように。

そして完全読本では描き下ろし短編小説が2つ掲載。以下それぞれの感想を書いていきます。

「からす洋館の殺人」
作者は愛すべき我らの爬虫類・amphibian氏。時系列としては千枝実が実はループにより記憶保持者と判明して協力体制になった直後。ある事故により休水村が全焼。村人達は仕方なく能里屋敷に避難してそこで「黄泉忌みの宴」が行われることになる。まさか4つ目の宴ですよ!!この宴の見どころはなんと言ってもゲームと宴の配役が違う事。主人公・房石陽明のゲームでの配役は「へび」と「おおかみ」で何かしら役割を担っていましたが今回はただの「ひと」。もちろん他の登場人物達の配役もシャッフルされておりどのキャラクターが何になったかは…小説を読んでからのお楽しみという事で。舞台が洋館だからかストーリー構成はミステリー小説を意識していると様子でゲームとはまた違う『レイジングループ』が楽しめてオススメです。

「能里先々代の記録」
こちらは全てのケリをつけたゲーム本編後のお話。愛すべき我らのボンラク・能里清ノ介の祖父である能里信研の手記を元に過去の「黄泉忌みの宴」を辿ります。作者は赤野工作氏で「え?我らのamphibian氏じゃないの?」と最初は戸惑いましたが申し訳ありません。素人の杞憂でした。この小説の肝はなんと言っても「黄泉忌みの宴」の恐ろしさが肌で感じられる事。仲間が人殺しではないのかと疑心暗鬼に駆られ、我が身可愛さに他者を捨て去り、徐々に狂っていく村人達。「黄泉忌みの宴」を阻止出来たのは陽明だからこそであるが、恐怖すら喜びに変えてしまう彼を通して宴の怖さを味わう事は不可能。「からす館の殺人」と同じく、ゲームとは違う『レイジングループ』が垣間見えました先々代を表現するときに「理知的であり、聡明であり、先進的であり」の下りが幾度も登場して、くどいなーと思いつつ読み進めると…なるほど、なるほど…そう繋がるのかと納得。私からも先々代にこの言葉を送らせてください。
をちなかれ。


想像以上のボリュームと密度でお腹いっぱいご馳走様。大満足です。難を挙げるとしたら誤字脱字が多く、短編小説では改行がなされておらず会話中に突然、場面転換されたり読んでて混乱する事がしばしば。ちなみにホビージャパンにて訂正箇所が掲載されています。また、公式曰く、本来の設定と旧設定が入り混じっているらしいのでそこは公式ブログをチェック!

最後に。
完全読本のamphibian氏のインタビューで次回のケムコADVについてちょろっと触れておりましたが、何やら『レイジングループ』と関係あるとかないとかそうとか。何はともあれ次回作も楽しみにしております。

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